科目「人間の尊厳と自立」
第1節 人間らしさを守る権利と福祉の考え方
第2項 人権の思想とその発展
❶ 人権思想の移り変わり
「人間の尊厳」という考え方は、現代になって突然生まれたものではなく、人類の長い歴史の中で形づくられてきました。人々が貧困や飢餓、戦乱や専制政治といった苦難を乗り越えていくなかで、人間らしい生活を守るための権利意識が芽生えました。
18世紀のアメリカ独立宣言やフランス人権宣言は、自由と平等を原則とする思想を世界中に広めました。さらに20世紀に入り、第一次世界大戦後には「生存権」と呼ばれる新しい人権思想が生まれ、生活を実際に保障する方向へと広がっていきます。その代表例が1919年に世界で初めて「生存権」を保障したドイツの「ワイマール憲法」です。
日本においても、第二次世界大戦後の1946年、日本国憲法に自由権と生存権を基盤とする人権保障が盛り込まれました。こうした歴史の流れの中で、人間の尊厳は人権思想の中心的な位置を占めるようになっていきました。
参考文献
介護福祉士養成講座編集委員会,介護福祉士養成講座1人間の理解(第2版),中央法規,2022,p7
「人間の尊厳」と人権思想の歴史的展開に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「人間の尊厳」という考え方は、20世紀の日本国憲法で初めて登場したものである。
2 18世紀のアメリカ独立宣言やフランス人権宣言は、自由と平等を世界に広める思想を示した。
3 「生存権」という考え方は、第一次世界大戦前の中世ヨーロッパで確立された。
4 1919年のドイツ・ワイマール憲法は、自由権のみを規定し、生存権は含まれていない。
5 日本国憲法(1946年)には、人権保障は明記されていない。
※この模擬問題は今回の「介護の学びノート」に内容に基づいて作成しています。実際の介護福祉士国家試験の対策問題としての内容を保証するものではありません。
正答 2
設問のとおり(18世紀のアメリカ独立宣言やフランス人権宣言は、自由と平等の思想を世界に示した)。