科目「人間の尊厳と自立」
第1節 人間らしさを守る権利と福祉の考え方
第3項 人権や尊厳に関連する日本の法的な枠組み
❶ 日本国憲法第13条「幸福追求権」
日本国憲法第13条には、「すべて国民は、個人として尊重される」と明記されています。これは、一人ひとりがかけがえのない存在であるという考え方を示しており、個人の尊重は、多くの人権の基盤となる重要な理念となります。
同時に、この条文には「公共の福祉に反しない限り」という言葉が添えられています。これは、すべての人が人権を平等に享受できるよう、社会全体の調和を保つための考え方で、自由や権利は無制限ではないという、他者の尊厳を守るための一定の制約が必要だという考え方です。
公共の福祉とは、すべての人が人間らしい生活を送り、安心して暮らせるようにする社会的な仕組み(公序良俗)のことでもあります。たとえば、高齢者虐待防止法のように、尊厳を守るための制度が整えられていることも、その一例です。
参考文献
介護福祉士養成講座編集委員会,介護福祉士養成講座1人間の理解(第2版),中央法規,2022,p11-13
日本国憲法第13条の理念と介護実践の関係について、最も適切なものを1つ選びなさい。
個人の尊重とは、利用者の希望を常に最優先し、社会的なルールや安全よりも個人の自由を尊重することである。
公共の福祉とは、国家が個人の自由を制限して統制するための考え方である。
個人の尊重は、他の人権とは無関係であり、介護支援には影響しない。
公共の福祉は、すべての人が人権を公平に享受できるようにするための社会的調和を意味する。
高齢者虐待防止法は、公共の福祉とは無関係で、介護実践には適用されない。
※この模擬問題は今回の「介護の学びノート」に内容に基づいて作成しています。実際の介護福祉士国家試験の対策問題としての内容を保証するものではありません。
正答 4 設問のとおり(公共の福祉は、すべての人が人権を公平に享受できるようにするための社会的調和を意味する)。