科目「人間の尊厳と自立」
第1節 人間らしさを守る権利と福祉の考え方
第2項 人権思想と発展
❷ 人権思想の発展とヒューマニズム
人が老い、病気や障害などによって生活に支障をきたしたとき、その人の尊厳を守り、生活を支えることは国家や社会の大切な役割(セーフティーネット)です。こうした考えの背景には、人間を中心に考える「ヒューマニズム(人間尊重の思想)」があります。ヒューマニズムを源流とする基本的人権は、各国の憲法に取り入れられ、現代の福祉の理念を支えています。
前回(第4講)でも示したように、18世紀のアメリカ独立宣言やフランス人権宣言では、人が生まれながらに持つ自由と平等の権利が示されました。さらに20世紀に入り、ドイツのワイマール憲法では世界に先駆けて「生存権」が定められ、人間らしい生活を保障する社会権の考え方が生まれました。日本国憲法第25条にも、この「生存権」の理念が掲げられています。
また、第二次世界大戦後に採択された「世界人権宣言」では、「自己の尊厳と人格の自由な発展を実現する権利」が示されました。これは、すべての人が社会の中で自らの力を発揮し、成長していくための環境を整えることの大切さを示しています。
参考文献
介護福祉士養成講座編集委員会,介護福祉士養成講座1人間の理解(第2版),中央法規,2022,p8
人間の尊厳を守る考え方に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ヒューマニズムは国家や社会の秩序を優先し、人間の尊厳を後回しにする思想である。
2 ドイツのワイマール憲法では、生存権を初めて明確に規定し、人間らしい生活の保障を重視した。
3 世界人権宣言では、経済的な権利のみが中心で、人格の自由な発展には触れられていない。
4 日本国憲法第25条では、自由権のみが保障されており、生存権の理念は含まれていない。
5 アメリカ独立宣言やフランス人権宣言は、社会権よりも国家権力の強化を目的としていた。
※この模擬問題は今回の「介護の学びノート」に内容に基づいて作成しています。実際の介護福祉士国家試験の対策問題としての内容を保証するものではありません。
正答 3 設問のとおり(ドイツのワイマール憲法では、生存権を初めて明確に規定し、人間らしい生活の保障を重視した)。