2026年9月25日金曜日

介護福祉士の学びノート 第13講「『その人』だけでなく『その人を取り巻く環境』も見る ~リッチモンドとケースワーク~ 」


 科目「人間の尊厳と自立」

 第1節 人間らしさを守る権利と福祉の考え方

 第4項 社会福祉の歩みから学ぶ人権と福祉の理念


❹ 「その人」だけでなく「その人を取り巻く環境」も見る ~リッチモンドとケースワーク~

  「ケースワークの母」と呼ばれるメアリー・リッチモンドは、慈善組織協会(COS)で友愛訪問に携わりながら、社会福祉援助の基礎を築きました。それまで貧困などの問題は、本人の性格や努力不足として捉えられがちでした。

 しかしリッチモンドは、生活上の問題を理解するためには、「個人」だけでなく「個人をめぐる環境」も見る必要があると考えました。家族関係や仕事、住まい、地域とのつながりなどを含めて生活全体を捉え、調査・分析しながら援助を考える方法を「社会診断」として体系化しました。

 さらに、本人と周囲との関係を整え、新しい関係を広げていく「拡大する自己」という視点や、個人への援助と社会環境の改善を組み合わせる重要性も示しました。これは現在のアセスメントやケースマネジメントにも通じる考え方です。

 介護福祉でも、利用者本人だけを見て「なぜできないのか」と考えるのではなく、「どのような環境なら、その人らしく暮らせるのか」と考えることが大切です。100年以上前のリッチモンドの問題提起は、現在の生活支援にもそのままつながっています。


参考文献

介護福祉士養成講座編集委員会,介護福祉士養成講座1人間の理解(第2版),中央法規,2022,p20-21


😊今回の内容に関する介護福祉士国家試験模擬問題😊

(正答はページの最下段)


メアリー・リッチモンド(Richmond, M. E.)の社会福祉援助に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.生活上の問題は、本人の性格や努力不足を中心に捉えるべきだとした。
2.援助では、本人の生活環境よりも身体機能を優先すべきだとした。
3.「個人」と「個人をめぐる環境」の両方に着目することを重視した。
4.社会福祉援助では、家族や地域との関係を考慮する必要はないとした。
5.援助の目的は、利用者を施設生活に適応させることであるとした。

※この模擬問題は今回の「介護の学びノート」に内容に基づいて作成しています。実際の介護福祉士国家試験の対策問題としての内容を保証するものではありません。


正答 3 リッチモンドは、本人だけでなく、家族・仕事・住まい・地域などの環境も含めて生活全体を捉えることを重視しました。この考え方は、現在のアセスメントやケースマネジメントにもつながっています。





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